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肝癌に対するラジオ波治療について

1)ラジオ波焼灼術とは?
 肝がんに対するラジオ波焼灼術は、1995年にはじめて臨床例が報告された新しい治療法です。この方法は、導電体に電流を流すと、電子の移動に伴う摩擦により熱が生じるという導電加熱を応用し、腫瘍の中に鉛筆の芯くらいの太さのラジオ波電流を発生させる針(電極針)を挿入し、電流を流して腫瘍を加熱する療法です。これは電子レンジで火がないのに料理が暖まることと同じ原理で、ラジオ波により腫瘍内のイオンが振動運動を起こし摩擦熱が生じ、発生した50〜100度の熱により腫瘍が焼灼されます。
一般的には開腹せず、超音波装置を用いて体外より腫瘍を穿刺、焼灼するので、肝切除に比較すれば患者さんの身体的負担は少なく、肝機能が悪くても施行できます。また、肝がんに対する治療として従来行われてきたアルコール局注療法より根治性が高いとされています。患者さんに優しく、抗腫瘍効果の高い革新的な治療法といえるでしょう。ラジオ波焼灼療法は、現在、肝悪性腫瘍に対してのみ健康保険が適用されますが、世界的には肝以外にも肺、頭頚部、気管、骨・軟部などの悪性治療を目的として広く用いられ、報告されつつあります。

2)適用
 肝悪性腫瘍の病変数が3個以内、最大径3cm以下 がもっとも良い適応です。この範囲外であっても、肝切除や肝動脈塞栓術と併用して施行されることもあります。ただし、患者さん個々で肝機能を含めた病状が異なりますので、適応の是非については医師との相談となります。

3)戸畑共立病院でのラジオ波焼灼術
 当院では、現行のラジオ波焼灼術の問題点を分析しながら、より安全で、より確実な焼灼を目指して、最新の多列検知器を備えるCTを用いた独自のラジオ波焼灼システムを導入しております。
一般的なラジオ波焼灼術では、超音波装置を用いて腫瘍の穿刺、焼灼を行います。しかしながら、超音波では肝臓の中でも、肺や腸管のガスに妨げられ腫瘍が描出できない、あるいは見えにくい"死角"が存在します。また、超音波の特性から、肝硬変が合併する場合や肝深部に存在する腫瘍の場合は、腫瘍が描出しづらく、その広がりも明確に診断できません。このような腫瘍に対しては超音波ガイドでは腫瘍の確実な穿刺、完全な焼灼ができません。また、ラジオ波による焼灼は、個々の腫瘍で、その焼灼範囲が一定でなく、また焼灼の形状も不整なことが病理組織学的に判明しています。この不整な焼けかたを超音波画像にて正確に判定することはできず、腫瘍の焼け残りや焼灼部局所の再発につながります。
この点、多列検知器を備えた最新のCTは、そのスキャンで膨大な情報を得られ、それを瞬時にコンピューター処理する能力を持っています。肝全域を等しく描出し、腫瘍や穿刺された電極針の位置情報を正確に伝えてくれます。また、血流の有無を鋭敏にとらえ、周囲脈管や焼灼範囲を3次元的に描出してくれます。したがって、このCTを利用したラジオ波焼灼術は、安定した高精度の焼灼が可能となり、根治性の向上、侵襲の軽減、治療回数の短縮につながっています。
戸畑共立病院では最新にして最善の治療を行うよう、日々努めています。治療に関して疑問点などがございましたら、ぜひお問い合わせください。
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