定位放射線治療 −サイバーナイフII
サイバーナイフIIは、米国スタンフォード大学のJohnAdler教授が開発されました。
サイバーナイフIIは、100箇所以上のロボット停止位置から病巣部に細いX線(ナロービーム)を定位集光照射して治療するシステムです。
6つの軸(関節)をもつロボットアームに最新の小型軽量な放射線照射装置(リニアック)を搭載し、非侵襲的な定位技術を用いた病変追尾システムを採用したことで、ロボットが自動的に病巣を正確に狙って、放射線を照射します。
1号機は1994年からスタンフォード大学で治療に使われています。日本では1997年から治療に用いられています。
|
 |
サイバーナイフIIの特徴
サイバーナイフII以外の定位的放射線治療では、頭部の病変に対して頭部が動かないように、フレームと呼ばれる金属製の枠を外科的小手術により、頭蓋骨にネジ固定する必要があります。局所麻酔で痛みは軽減しますが、無痛というわけには行きません。
サイバーナイフIIでは、2台のX線透視用カメラで得られる頭部のイメージとCT撮影時に作成された立体イメージを瞬時に比較して、頭部のズレや細かな動きをコンピューターが自動的に感知し、そのズレを自動補正するようにコンピューターからロボットアームに指令が送られます。
つまり、強固な固定が必要な金属製フレームを必要とせず、治療時に1cm以内の動きは感知して、ロボットアームが自動的に追いかけて治療を行います。
動きが1cm以上ある時は、自動的に治療は中断され、再度位置確認を行った後治療を再開します。
また放射線の副作用を少なくするためには数回に分割して照射することが有効なのですが、従来の定位的放射線治療では分割照射が行いにくかったのです。
これは治療終了まで金属製フレームをはずすことができないためなのですが、金属製フレームを必要としないサイバーナイフIIでは2〜5日にわたって分割照射をすることによって、正常細胞への影響を最小限に抑え、より安全に治療が行えるようになりました。

どのような病気に効くの?
放射線には腫瘍細胞を殺したり、血管を閉塞させたりする作用があります。
病巣だけを正確に狙って放射線をかけることにより、まわりの正常部分を大きく傷つけることなく、腫瘍を殺したり、異常な血管をつぶしたりすることができるのです。
具体的には、腫瘍や血管奇形(動静脈奇形)などに効果があります。 しかし脳腫瘍や血管奇形には色々な種類があり、同じ病名でも病巣の大きさや存在場所、患者様の年令や状態などによって、放射線治療が最適の治療法となったり、手術など他の治療が最適な治療法となることがあります。
個々の患者様にとって、「どの治療法が最も効果があって、しかも安全に行えるのか」ということを医師が検討し、ご自身の希望なども考慮して治療法を決めていく必要があります。
適応疾患
原発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍、脳動静脈奇形、頚髄動静脈奇形、 頭頸部腫瘍(放射線治療後の追加照射、放射線治療後の再発等)、頚椎、頭蓋底骨転移
治療実績
| 手術名 |
平成16年度 |
平成17年度 |
平成18年度 |
| サイバーナイフ治療 |
51 |
139 |
135 |
サイバーナイフII治療に伴う副作用
どのような治療にも副作用が現れる可能性がありますが、サイバーナイフ治療も例外ではありません。
一般的には下記のような副作用が知られています。
これまで放射線治療を受けた方の多くは、思っていたよりもずっと楽な治療だったとおっしゃっています。
当日〜数日・・・・・・・・・・吐き気、嘔吐、けいれん、発熱、皮膚の発赤、
皮膚・粘膜の炎症による痛み等
数週間後〜数ヶ月・・・・浮腫(腫瘍周囲の腫れ)、麻痺、脱毛、顔面神経麻痺等
数年後・・・・・・・・・・・・・壊死(腫瘍周囲の正常細胞)、皮膚・粘膜の潰瘍等
(1)一時的な吐き気、頭痛、めまい
人によっては治療後、吐き気、頭痛、めまいなど乗り物酔いのような症状がみられることがありますが、多くの場合は一時的なものです。
(2)脳の「むくみ」(脳浮腫)
一時的に照射部位の脳に「むくみ」が出ることがあり、頭痛や気分不良が現れることがあります。場合によっては、脳の「むくみ」を取る薬の投与・高気圧酸素治療が必要になることもあります。 脳の「むくみ」に関連して、けいれん発作が治療直後にみられることがありますので、治療後しばらくは注意が必要です(特に治療前からけいれん発作がある方。)また、聴神経腫瘍では頭に水がたまる「水頭症」といわれる状態になることがあります。
(3)脱毛
脳表面に近い病巣では照射部位付近に脱毛がみられることがあります。
(4)後遺症を残す可能性のある副作用
放射線照射部位付近の脳の正常細胞が死んでしまったり、脳神経や血管に損傷が起こったりすると、後遺症が出る可能性があります。このような比較的重く、しかも回復しにくい副作用は、治療中や治療直後ではなく、治療後数ヵ月前後〜2年後ぐらいの間、あるいはそれ以降に現れることが多いとされています。したがって、治療後もしばらくの間は定期的に医療機関で経過観察してもらう必要があります。
医師は予想される治療効果と副作用をよく吟味して、放射線治療の適否を判断した上で放射線照射を行いますが、病気の場所や病気の種類によっては治療を行う上で何らかの症状を残すような副作用が避けられない場合もあるということをご理解頂ければ幸いです。原則として副作用の危険よりも治療によって受ける利益が大きいと考えられる場合には治療を行います。この方針は、サイバーナイフ治療に限らず、全ての医療行為についていえることです。
予想される副作用の具体的な内容については治療前に担当医から説明を聞き、ご自身の希望を話した上で、よく相談してから治療を受けて頂くとよいと思います。
治療の流れ
医療費について
サイバーナイフIIの治療は健康保険診療の適応となっています。
保険1割負担 63,000円
保険2割負担 126,000円
保険3割負担 189,000円
上記の他に入院費・食費・差額ベット料金などが加算されます。
老人医療証をお持ちの患者様は、上記と異なります。
詳細につきましては、別紙にてご確認下さい。
サイバーナイフは高額医療費の対象となります。患者様が加入社会保険事務所または各区国民健康保険課に申請されますと医療費は一部返金されます。尚、詳細につきましては、事務員へお気軽にお尋ね下さい。
お問い合わせ
サイバーナイフについてのご相談・お問い合わせについては下記の連絡先まで
戸畑共立病院、地域連携室
TEL 093-871-5425
FAX 093-871-5970
E-mail renkei@kyoaikai.com
Copyright KYOAIKAI All Rights Reserved