2020年度 ご挨拶

 皆様、思いがけない新型コロナウイルス蔓延の中、不安な思いで過ごされておられる方も多いと思います。ワクチンや特効薬ができ、安心して生活できる日が一日も早く戻ってくることを願わずにはおれません。

 新しい年、2020年を迎えた時、いよいよオリンピックイヤーの幕開けだと、だれもが希望に胸を膨らませました。4月となり新年度を迎えた時、世界のあまりの変化にだれもが信じられない思いでした。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、世界のどこへも行けなくなったどころか“スティホーム”の毎日。子供は学校にも行けず、野球や相撲も今までのようには楽しめなくなり、社会は小さく分断されてしまいました。

 あやめの里では、インフルエンザの予防のため昨年に続き、1月半ばから面会制限をはじめ、そろそろそれが解けるかという頃、今度は新型コロナウイルスのため、3月はじめより面会禁止となり、今に及んでいます。“娘に会いたい”という声、“お父さんはどんなにしているの”と心配される声も大きくなり、せめてと、iPadを使ったタブレット面会を開始しました。やはり、画面の中だけでも、お互いに顔を合わせると安心されるようです。分断された中で改めて、人と人との繋がり、絆の大切さが再認識されている面もあるように思われます。

 世界や日本国内を見ても、高齢者施設では多くの感染者、死者が出ています。高齢者は、高齢ゆえに、体力の低下、免疫力の低下、肺、心臓、腎臓など多くの器官の機能低下があり、持病を抱えておられます。非常にリスクが高いのです。また、介護という仕事はある程度密着せねば仕事になりませんので、危険なウイルスに入り込まれてはひとたまりもありません。今回の新型コロナウイルスとの戦いがいつまで続くかわかりませんが、マスク、消毒薬など備品の整備は言うに及ばず、しっかりとした感染防御態勢を整え、皆様の大切なご家族をお守りしたいと思います。

 緊急事態宣言が解かれれば、徐々に普通の生活が戻ってくると思われますが、第2波の恐れもあり、当分は気の抜けない日が続きます。感染防御の面から、ボランティアや園児さんたちの慰問は当面行えず、寂しい面もありますが、お誕生会など少人数で楽しんでいただける催しなどは積極的に行っていきます。野菜や花を植えてその成長を楽しんだり、施設内の生活を多彩にさらに充実していきます。もちろんリハビリについても、今年度は、身体的なリハビリのみならず脳活性化リハビリをさらに充実させていきます。またACP(アドバンス・ケア・プランニング)を具体的に進めていきます。

 今は新型コロナウイルスが問題となっていますが、近年水害、台風、地震など災害が急増し、その被害を最も被るのは、弱者である高齢者です。2月には、当施設は“福祉避難所”の指定を受けました。地域の高齢者を様々な災害から守り、家庭や地域の生活の安定に寄与することもこれからの老健の使命だと思われます。

 これから、老健を取り巻く環境、ご利用者の流れなどいろいろな変化が起きてくると思われますが、その都度情報を発信し、共有してより良い施設運営を行っていきたいと考えています。

令和2年5月15日
介護老人保健施設あやめの里 施設長 下河辺勝世