切らないがん治療

リンパ節に転移している可能性が極めて低い早期のがんに対しては、内視鏡を使用し、おなかを切ることなく悪性腫瘍(がん)のみを切除できる治療を行っています。
ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、EMR(内視鏡的粘膜切除術)という術式を実施しています。

腫瘍の下に専用の液体を注入し、病変を盛り上がらせた後、専用のナイフを用いてまるごと剥ぎ取る方法です。リンパ節転移のないがんであることが条件ですが、内視鏡下で実施できるため、入院も短期間で済みます。

治療の様子

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病変周辺にマークを付けます。 マークに沿って、電気メスで切込みを入れます 切り込んだ部位から、
特殊な電気メスを用いて病変をはがしていきます。

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剥離中 剥離後の病名部位 剥離した病変
 
 

内視鏡的ポリープ・粘膜切除術(EMR・ポリペクトミー)

胃や大腸に発生する良性や悪性の腫瘍(ポリープ)を、専用の処置具で切除する方法です。
切除できる腫瘍の大きさに制限はありますが、もっとも早く、安全に切除できます。切除後は出血を伴うこともあり、1~2日の入院が必要となる場合があります。

治療の様子

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大腸粘膜に発生したポリープ。 生理食塩水を用いてポリープを起上させます。 切除用の金属の輪にをポリープにかけます。

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金属の輪をポリープの根元で縛ります。 電気を通電させ、切除します。 切除したポリープを回収します。

実績

消化器内視鏡 手技別内訳
(件)
  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度  2019年度
検査 上部消化管内視鏡 2811 3035 2888  3047 3222
下部消化器内視鏡 1348 1143 1176  1156 1211
治療 内視鏡的狭窄部拡張術 63 63 33  66 85
内視鏡的胃・食道静脈瘤治療
(EVL・EIS)
9 12 24  7 4
粘膜下層剥離術
(ESD)
137 156 164  152 99
内視鏡的消化管止血術 160 144 142  116 91
胃ろう造設術 26 21 37  35 38
粘膜切除術
(EMR・ポリペクトミー)
552 631 577  593 636
胆管・膵管系内視鏡
(ERCP・EST・ERBD等)
163 159 188  187 175
小腸内視鏡 50 54 31  54 45
カプセル内視鏡 29 16 32  42 53
内視鏡的消化管ステント留置術 15 19 27  14 14
内視鏡的消化管異物除去 18 3 17  33 25
その他 82 72 96  115 53
合計 5463 5528 5432 5617 5751