チームで実現するオーダーメイド治療
がん温熱治療ハイパーサーミアについて

Q1.どのような治療ですか?

がん細胞が熱に弱いといった特性を利用し、体外から電磁波を照射し加温する治療です。治療時間は 50 分。単独でがんを治療するものではなく、放射線治療や化学療法と併用した治療が主となります。
戸畑共立病院では 2003 年から治療を開始し、ハイパーサーミア認定施設として、年間約 2000件の治療を行っています。

Q2.最新鋭の治療装置(2台目)が導入されましたが、これまでと何が違うのですか?

最新型は、装置の心臓部にあたる高周波発振器が真空管式からソリッドステート型になったことで、高周波の発振精度が向上しました。また、体表部の冷却機能が向上し、より高い熱量を照射し加温することができます。操作性においてもデジタル化が進んだことで、サーモグラフィによる温度管理や加温評価が可能となりました。
2 台目が導入されたことで、今後は全ての患者様へ良質な治療をご提供することができます。

Q3.放射線治療や化学療法と併用して治療するのはなぜですか?

がん細胞を加温することで、熱による直接的な効果に加え、放射線・抗癌剤を増感させる効果があります。当院では、それらの効果が最大限発揮されるよう、放射線治療・化学療法を併用とした “がん集学的治療” を標準的に行っています。

Q4.ハイパーサーミアの他にどのような治療ができますか?

ガイドラインに即した化学療法に加え、サイバーナイフ M6、トモセラピー、リニアックなどの高精度放射線治療(IMRT・呼吸同期放射線治療・定位放射線治療・IGRT)を行っています。また、高気圧酸素治療装置4台を完備し、放射線治療・抗癌剤の増感効果に加え、遅発性放射線障害の治療としても役立てられています。

Q5.戸畑共立病院のがん治療の特徴は?

多くの施設では各診療科別にそれぞれの治療が行われますが、当院では放射線治療、化学療法、ハイパーサーミア、高気圧酸素治療、核医学検査(PET CT)をがん治療センターで行うため、症例一人一人にあったオーダーメイドながん集学的治療が可能です。また、一括して管理することで、有害事象を早期に対応することができ最小限に抑えることができます。
更に、各専門医を中心に、専門性に特化したメディカルスタッフを多数配置し、チーム医療を実践することで、患者さんが安心して治療を受けられるだけでなく、満足度の高い良質ながん治療を提供しています。

▲治療室には最新機種2台を完備。より充実した集学的治療で低侵襲な治療を実現。