社会医療法人 共愛会

広報誌『しおかぜ』2018年冬号

社会医療法人 共愛会広報誌 しおかぜ 2018年冬号

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特集1 骨粗しょう症リエゾンサービス

骨粗しょう症 リエゾンサービス

リエゾンとは『連携係』のことを言い、病院内だけでなく地域社会と共に骨粗しょう症の予防・治療を進めていきます。

骨粗しょう症とは

骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気を『骨粗しょう症』といいます。症状や痛みが無い場合もあるため、気づかないうちに骨折してしまっていたというケースも少なくありません。骨粗しょう症により骨がもろくなると、つまずいて手やひじをついたり、くしゃみなどのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。高齢になり骨折すると、寝たきりになったり、車いす生活になるなど生活の質(QOL)の低下にもつながりかねません。
日本は世界でもトップクラスの長寿国であり、戸畑地区は65歳以上の方が全体の30%を超えたと報告されています。最近では単に長寿を目指すだけでなく、健康で自立した生活を送れる期間をあらわす『健康寿命』を延ばすことへの関心が高まっています。骨は私たちの体や日常の活動を支える大切な器官です。骨粗しょう症を予防し、骨を健康に保つことは、健康寿命を延ばすことにもつながります。

骨粗しょう症リエゾンチーム始動

 戸畑共立病院では、今年の6月に『骨粗しょう症リエゾンチーム』を立ち上げ、折れにくい骨づくりを支援する『骨太サポート』運動を開始しました。医師のみならず看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、診療放射線技師、ドクターズクラークなど様々な職種のスタッフが連携し、より効果のある骨粗しょう症の予防と治療が提供できるよう、チーム全体で日々勉強を重ねています。
骨粗しょう症の診療支援を行う専門知識を持ったスタッフのことを『骨粗しょう症マネージャー』といいます。当院には骨粗しょう症のスペシャリストとして骨粗しょう症認定医が2名(1名は戸畑リハビリテーション病院勤務)、骨粗しょう症マネージャー認定資格合格者が3名在籍しています。
今後も地域や他病院、多施設と連携を図りながら、患者さま一人ひとりに合った骨粗しょう症の予防と治療に努めてまいります。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。

特集2 共愛会イベントカレンダー

 

病気のはなし 慢性便秘症

慢性便秘症の注意点
便秘は全人口の約1~2割がかかっており、特に若年層の女性に多く見られます。また、加齢に伴い男女ともに増加しています。慢性便秘症の良し悪しなどを見分けることで重要なのは器質性疾患(からだの組織である筋肉群や骨格などが既に変形あるいは破壊されてしまっている状態、又は著しい内臓の機能低下などを指します)を無くしていくことです。特に大腸がんなどの悪性疾患は常に念頭に置かねばなりません。50歳以上で最近便秘になった方、貧血や血便などの症状がみられる方は、下部消化器官内視鏡検査(大腸カメラ)をご検討ください。

 生活習慣改善による便秘の治療
便秘の治療にあたっては、生活習慣の改善が重要です。「食生活、特に水分摂取と繊維接種」「排便姿勢」「運動」の3点がポイントとなります。まず食生活を見直し、適度に運動も取り入れて生活習慣の改善をはかりましょう。食事反射による排便は朝食後が最も強く、朝食の摂取は排便習慣確立に重要です。また、排便姿勢も非常に重要で、前傾姿勢(前かがみの姿勢)が最も排便に適しています。

便秘の薬物療法
薬物治療の基本は、通常は緩下剤(酸化マグネシウム🄬・マグミット🄬等もしくはルビプロストン🄬・アミティーザ🄬)を毎日投与して、必要に応じて刺激性下剤(プルゼニド🄬など)を適宜使用します。しかし、刺激性下剤の連用は薬剤耐性、精神的依存性などの様々な問題があり注意が必要です。
また、市販薬にも刺激性下剤の成分が含まれていることが多いため、続けて服用することは避けましょう。排便回数の低下、排便困難症状で困っている方は当院消化器病センターへご相談ください。

スタッフレポート

川原 早苗さん
戸畑共立病院/薬剤部 薬剤師 NST専門療法士

患者さまを中心とした最良の栄養サポートを。

 私は患者さまの栄養を支援するチームで活動している薬剤師です。このチームはたくさんのスタッフが専門的な知識と技能を活かして、患者さまを中心とした栄養サポートを行うことが使命です。栄養療法はすべての治療の基盤で、治療の継続とその後の人生を支えるために最も大切な患者ケアであると、日々の活動を通じて実感しています。
薬剤師は食事が十分にとれない患者さまに対し、代わりとなる点滴にバランスと効率を考えたメニューを提案したり、患者さまの”今”に必要な薬を厳選し安全に服薬できる方法を提示します。また、食事と薬の飲み合わせや薬の服用が食べられないことの原因になっていないかなど、薬剤師にしかできない役割があります。
私たちは、患者さまやご家族の声に耳を傾け寄り添うケアを目指し、”私たちにできることは何か”患者さまにとっての最良を常に考えています。

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