リニューアルは通過点。地域に選ばれ、職員が輝ける共愛会へ

宮野

宮野 由利絵

戸畑共立病院 画像診断センター 臨床検査技師

山本

山本 晃義

共愛会法人本部 医療・介護DX推進室/室長(兼)戸畑共立病院画像診断センター/エキスパートアドバイザー診療放射線技師

津々見

津々見 勇介

共愛会法人本部 医療・介護DX推進室/副主任・理学療法士

東

東 佑樹

あやめの里 看護師 副主任

概要

複数施設・多職種のメンバーが集まり、約1年にわたって進められてきた広報プロジェクト。コーポレートサイトという“病院の玄関口”を整えた今、メンバーが見据えているのは、その先にある組織の姿です。
後半では、プロジェクトを通して生まれた「垣根を越えた人とのつながり」と、そこから得られた新たな視点を振り返りながら、これからの共愛会について語り合います。
リニューアルをきっかけに、職員一人ひとりがいきいきと働ける環境をどう築いていくのか。日々積み重ねてきた接遇をさらに磨き、医療・介護の質の向上へとどうつなげていくのか。地域に信頼され、職員が誇りを持って働ける存在であり続けるために―前半とは異なる新たな4名のメンバーによる後半記事をお届けします!

目次

若手からベテランまで、多様なメンバーが集結

-まずは自己紹介からお願いします。

宮野

戸畑共立病院の放射線科で臨床検査技師として従事しています。勤務年数は4年半以上です。学生時代から続けているバレーボールが趣味で、今も週末に仲間と楽しんでいます。特技はしゃべり続けることです(笑)。

山本

共愛会法人本部の医療・介護DX推進室の室長をしています。事務職員としては2年半ですが、診療放射線技師として医療現場に携わってきた期間を含めると約40年になります。共愛会には約32年間勤務しており、時折現場に立ち、研究補助や院内外での講演・研修、若手支援など人材育成にも携わっています。

津々見

共愛会法人本部の医療・介護DX推進室に所属しています。理学療法士として約15年の経験を持ち、1年ほど前は戸畑リハビリテーション病院の回復期リハビリテーション病棟で管理業務に従事していました。アメリカ研修や院内研修をきっかけに、DX推進室へ異動しました。趣味はバスケットボールやゴルフなどスポーツ全般です。

東

介護老人保健施設「あやめの里」看護部副主任をしています。入職して約6年半勤務後、一度一般企業に転職し、営業職を経験しました。その後、再び共愛会に戻りました。異業種で培ったスピード感や視点を生かし、現在は介護分野のDX推進やICT活用、業務改善、職員のモチベーション向上に取り組んでいます。趣味はバスケットボールで、津々見さんと同じ社会人リーグのチームに所属して毎週練習しています。あとは筋力トレーニングを頑張っています。

 

"攻めの広報"の必要性を再認識―実現の鍵は、まず内側から

-プロジェクトメンバーに選ばれたきっかけ、またその時のお気持ちをお聞かせください。

津々見

私が広報の重要性を強く意識するようになったのは、広報プロジェクトの編集長である久雄先生に誘っていただいた「病院マーケティングサミット」への参加がきっかけでした。そこで学んだのは、医療従事者だけで完結せず、地域社会と共に病院を創り上げていくことの大切さ。この経験を経て、私は「攻めの広報(能動的な広報)」の必要性を再認識しました。

本プロジェクトの起点は、まさにその延長線上にあります。地域に対する広報の在り方を再検討することはもちろんですが、同時に「職員に対するインナー広報」の不足も痛感しました。まずは、職員一人ひとりに自らの職場を誇りに思い、好きになってもらいたい。そんな強い想いから、本プロジェクトが始まりました。「とにかく動こう」という経営層の姿勢もあり、準備からプロジェクトを進めていきました。

山本

私自身、率直に言えば、「いよいよ本気で、共愛会の“顔(=コーポレートサイト)”をつくり直すタイミングが来た」という高揚感と責任感が同時に来ました。コーポレートサイトは、単なる広報物ではなく、患者さんや地域、紹介元、そして求職者の方々にとっての最初の接点であると考えています。サイトが伝える印象は、そのまま法人の信頼に直結します。

だからこそ、「見た目を整える」以上に、共愛会が大事にしてきた人に対する想い、安心・連携・温度感といった価値を、情報源として正しく届ける必要があると感じています。

宮野

私は山本さんから誘われたのがきっかけで、最初は何をするのかもよく分からないまま参加しました。若手の視点や客観的な意見も欲しいということで声をかけていただいて、何か力添えができればいいなという軽い気持ちで初めの会議に行ってみると、役職のある方ばかりで少し緊張しました(笑)。

もともと知っている方も少なく、他施設の方と一緒に何かを作る経験もなかったので不安もありましたが、皆さんが温かく場をつくってくださって、自然と話せるようになりました。「共愛会をもっと地域に根付かせたい」「患者さんが来やすい場所にしたい」という想いは、皆さん同じだったので、そこが参加しやすかった理由だと思います。

山本

今の時代、病院や医療の“入り口”はホームページなんだと思って、その重要性をずっと考えても、自分一人では答えが出ませんでした。日常の会話の中で、宮野さんから良いアイデアをたくさんもらっていて、「ぜひこの場に来てもらいたい」と思い、声をかけました。宮野さんはアイデアが豊富で発言も面白く、きっとこのプロジェクトで力を発揮してくれると思ったんです。

僕自身がやらないといけないなと思っているのは、ホームページが完成したあと。その内容に負けない組織づくりができているかを見届けたいので、必要な部分で、サポートしていきたいと思います。

東

自分は「面白そう」というのが第一印象です。何か変革が起こるという期待感と、未知のことばかりで、ワクワクしていたのを覚えています。参加する前に、プライベートで津々見さんや久雄先生と話す機会があり、その中でマーケティングや広報の話を聞いて、楽しそうだなと感じていました。

その後、久雄先生から声をかけてもらって、正直、何をするのか分からないまま参加しました(笑)。でも、先生の想いや考え方に共感する部分が多く、「自分も力になれたらいいな」と思ったのがスタートですね。

最大の収穫は垣根を越えた人とのつながり、そして多角的な視点

-約1年にわたる本プロジェクトに参加する中で、皆さんがそれぞれ得たこと・学んだことを教えてください。

津々見

一番の収穫は、職種や分野を超えて「志を同じくする仲間」とつながれたことです。 医療や介護といった垣根を越えて、いろんな角度からの意見に触れるうちに、自分でも驚くほど視野が広がり、視座が高まったと感じています。

また、現場の課題を解決するだけでなく、組織全体を俯瞰して見る「マクロな視点」の大切さも身をもって学びました。これからは、この「多角的な視点」と「全体を見渡す判断力」を武器に、地域にも病院にも「いいな」と思ってもらえるような、価値ある広報活動を追求していきたいです!

東

これまでは、部署や施設を越えて関わる機会がほとんどなくて、会っても挨拶程度でしたよね。

宮野

半年ほどの長い期間、毎週のように多職種で話し合う機会はなかなかありませんよね。気兼ねなく意見を交わせる時間は、とても貴重でした。職種が違うと、考え方も本当に違うんだと実感しました。私はMRI検査を通して、より良い治療や最適な選択につなげる役割を担っていますが、津々見さんたちは「どうすれば自宅に戻れるか」を考え、東さんたちは「退院後の生活をどう支えるか」を考えています。

そうした話を聞く中で、「そこまで見据えて画像を提供しなければならないんだ」と気づかされ、深く医療と向き合うことができました。患者さんと関わる時間が限られている私にとって、他の現場の声を知ることで、接遇の考え方もよく理解できましたし、見え方が大きく変わったと感じています。

津々見

医療機関は専門職の集まりなので、部署内のつながりは強いですが、施設や職種の垣根を越えることは、あまりないですよね。久雄先生には、そこを越えていきたいという想いがあったと思います。久雄先生が日頃から仰っている、『組織全体を俯瞰して捉え、個々のポテンシャルを最大限に引き出す人材発掘・育成』の重要性を、改めて深く実感しました。

東

年代、経験値が違う中でのプロジェクトだったんですが、あらゆる視点や自分にはない視点を持ってらっしゃる方との意見交換はより刺激になりましたし、自分自身の思考のアップデートになっていると思います。僕も多角的に見るようになったかなと思います。

老健には長く在籍していますが、病院勤務は2年ほどで、医療は日進月歩なので、その変化に疎い部分もありました。経営状況や運営の話を聞く中で、「ただ働くだけではいけないな」と、改めて感じました。

山本

私は、“伝える”ということは、センスではなく設計だと学びました。誰に、何を、どの順で、どの言葉で届けるか。これが整理されるだけで、同じ内容でも伝わり方が劇的に変わる。医療現場の説明やチーム連携にも通じる学びでした。

また現場の当たり前は、外から見ると“価値”なんだと気づかされました。私たちは日々、救急、がん治療、地域連携、介護との接続などを当たり前にやっていますが、外部の視点が入ることで、それがどれだけ強い魅力であるかが認識でき、発信すべきストーリーがどうあるべきかが見えてきました。

医療・介護の質の向上のため、インナーブランディングを強化

-今回のコーポレートサイトリニューアルにおいて、皆さんが大事にされていた想いやポイントを教えてください。

津々見

「共愛会」という組織をより深く知っていただき、地域の方々に心から『選ばれる病院』になること。それが、私たちが最も大切にしている想いです。今回のコーポレートサイトのリニューアルは、その目標に向けた大きな第一歩であり、いわば『病院の玄関口』を整える活動だと捉えています。しかし、サイトが綺麗になるだけで満足してはいけないと考えています。

このリニューアルをきっかけに、今後は職員一人ひとりがよりいきいきと働ける環境づくりや、日々積み重ねている接遇のさらなる改善、そして医療・介護の質の向上へと繋げていく必要があります。玄関口を整えることで、内部の改革にもより一層の磨きをかけ、組織全体で進化し続ける姿勢を体現していきたいと考えています。

東

大切にしたのは“インナーブランディングの強化”ですね。自分はインナーブランディングという考え方がとても好きで、久雄先生からその話を聞いた時、「まさに自分がやりたいことだ」と感じました。自分は職員のモチベーションや主体性などを大事にしているので、そこが強化されていけば波及効果的に患者さん、利用者さん、そして経営面にリンクしてくるのではないかと思っています。その中の一つに接遇といったものがあるのではないかと思います。もちろん帰属意識を持っておくことも大事なことではありますが、もし退職という選択をしたとしても「共愛会」で学んだことがその人のその後の人生に活きたり、転職先でも「共愛会さんなら間違いないね」と評価されたりするような組織だったらいいなと常々思っています。

津々見

私は今、インナーブランディングこそが最優先事項だと考えています。経営環境や制度の厳しさはあっても、患者さんには関係のないことです。病院が困ったときの『よりどころ』である以上、まずは職員が心から満足し、楽しく働けていなければなりません。 職員の笑顔が、巡り巡って患者さんの安心につながる。そんな環境をどう作り、どう仕組み(プロジェクト)として形にするかが、私の果たすべき役割です。

山本

理事長は「一人で考えるのではなく、患者さんのためにみんなで考える」ということを常におっしゃっています。普段はなかなか、自分たちが組織の中でどんな役割を担っているのかを意識する機会がありませんが、このプロジェクトは、まさにその想いを具現化できたと感じています。

多職種が集まるプロジェクトの中で、方向性がずれそうになったときは、軌道修正するのが自分の役割だと思って意識していましたが、実際には皆さんがしっかり考えを持っていて、自然とまとまっていきました。大事なのは、常に「それが本当に患者さんのためになっているかどうか」という視点です。考えをまとめるのは簡単ではありませんが、最後の答えはそこに行き着けばいいのだと思っています。皆の目線が自然と患者さんに向いていることが、何より嬉しいです。

宮野

病院は、お客様のために何かをすれば利益として返ってくるわけではありません。患者さんへの想いが、そのまま利益に結びつくわけでもなく、国の制度など、さまざまな要素が関わっています。このプロジェクトを通して、病院経営の複雑さを改めて実感しました。

その中で、若手や現場の立場として、私たちなりにどうすれば組織を支え、引っ張っていけるのかというのをずっと考えてきました。皆さんの意見を聞きながら、「自分たちは何ができるのか」を考え、言葉にすることで、自分自身の考えも整理されていったと感じています。とにかく言葉にして、皆さんと一緒に取り組むために、どう力になれるかを考え続けてきたことが、今回大切にしてきたことです。

リニューアルは通過点。組織の姿勢を体現できる現場を目指す

-今後の構想や、目指している方向性があれば教えてください。

山本

コーポレートサイトという「病院の顔」ができて、入り口が整った。だからこそ、これから大切になるのは、それに負けない組織づくりだと思っています。今回の取り組みは、1つの過程で、これから組織としてどうまとまり、具現化していくのかが重要です。コーポレートサイトで掲げている考えや姿勢を、現場一人ひとりの行動にどう落とし込んでいくのか。またリニューアルで終わりではなく、更新・改善が回る体制も必要です。そこを今後DX推進室として担っていきたいと思っています。

津々見

まず大切にしたいのは、「持続可能であること」です。病院や法人がなくなってしまえば、一番迷惑をかけてしまうので地域の方々です。だからこそ、困ったときに頼れる存在であり続けないといけない。

職員がいきいきと働き、地域を越えて人が集まるような組織をつくっていく。そのきっかけが、今回のプロジェクトだと思っています。「患者さんに選ばれる病院」であると同時に、「職員に選ばれる病院」であること。そこが核です。そのために全力でいろんな視点を入れてみんなで考える。考えるだけで終わらせず、実行していく。それができる組織を目指したいと思っています。

東

最近よく言われる「組織風土」や「組織カルチャー」って、やっぱり一番大事な部分だと思います。結局、すべてはそこに行き着くんじゃないかなと。その土台があるからこそ、患者さんにも職員にも選ばれる病院になっていくと思います。

宮野

ホームページを見て、患者さんが「この病院なら寄り添ってくれそう」とか、職員も「患者さんにしっかり寄り添って働かないといけない」と感じて欲しいと思います。そうした想いを大切に、ホームページを作り続けていきたいですね。

職員が誇りを持って輝き、地域の方に信頼され、選ばれる存在に

-最後に、皆さんがそれぞれ今後の共愛会や所属施設をどのようにしていきたいか、また将来的に、患者様や地域の方とどのような関わりを築いていきたいとお考えですか。

宮野

私は「共愛会タウン」という言葉が当たり前になるくらい、地域に根ざした存在になるといいなと思っています。「あそこは共愛会タウンやけんね」と、患者さんが自然に口にしてくれるような存在。病院や施設という枠を超えて「タウン」として、当たり前にそこにあって、地域の皆さんの人生に寄り添う場所でありたいです。 

東

一つのコミュニティのような存在ですよね。その考え、すごく面白いなと思います。そこに当たり前にあって、自然と温かさが伝わっていく存在。専門性だけでなく、「共立病院って、なんかいいよね」「あの人たち、いいよね」と、地域の方たちにシンプルに言ってもらえるようになれたらと思います。

宮野

「共愛会があるから、戸畑って暮らしやすいよね」って言ってもらえるようになったら嬉しいですね。

山本

本当にそうですね。患者さんや地域の方に、もっと気軽に入ってきてもらって、「ちょっと相談したいんだけど」と立ち寄ってもらえる存在になれたら理想ですね。今はまだ、共愛会の良さや強みが、十分に知られていない部分もあると思っています。
近所の方が「困ったら戸畑共立病院に行けばいいよ」「あそこに相談すれば大丈夫」と自然に勧めてくれるような状態には、まだ届いていない。広報やホームページを通じて整理し、広めていくことで、最終的に「使ってもらえる組織」になっていくことが大事かなと思います。

津々見

病院があっての地域ではなく、あくまで「地域があって病院がある」。病院って、敷居が高くなりがちで、急性期病院や救急病院はなおさらです。だからこそ、組織の内側から意識を変えていく必要があると感じています。

やはり一番大事なのは、患者さん一人ひとりとしっかり接すること。病院だから特別ということではなく、「人と人」として向き合う。その関係性をしっかり築ける場所が、たまたま病院だった。そんな存在になれたら、一番理想的だと思っています。

東

“地域との関わり”の部分で言うと、「あやめの里」の良さでもある外部交流などが、感染のこともあり、なかなか難しい時代になっていますが、積極的に実行していきたいです。また、介護分野では介護職が活発な施設がいい施設である印象があります。特に介護職員に関してはモチベーションを上げたい。その中でいかに看護と介護が協力していけるかどうかがキーポイントなので、そこを考えたいです。老健施設としての役割を発揮でき、個人の能力を最大限発揮できる組織にしたいと思っています。

津々見

私は、共愛会を「地域の方々に最も信頼され、選ばれる場所」にすると同時に、「働く職員が自分の職場を世界で一番好きだと言える組織」にしていきたいと考えています。

今回のプロジェクトを通じて、多職種・多分野の視点が混ざり合うことで、私たちは個別の点ではなく、地域全体を俯瞰する視座を得ることができました。このような“チームの力”が、これからの共愛会を支えていくのだと思います。

また、デジタル上の玄関口であるサイトを整えた今、次に行うべきは、その中にいる私たち自身の質を高め続けることです。接遇をさらに磨き、医療・介護の質を追求し、それらを積極的に伝えていくことが、地域との信頼につながっていくと考えています。

地域と共に歩み、職員が誇りを持って輝く。そんな共愛会の新しい未来を、職員の皆さん、そして地域の方々と共に形にしていきたいと強く願っています。

山本

私が目指したいのは、共愛会が地域の中で「困った時に最初に思い出してもらえる存在」であり続けることです。

およそ40年にわたって医療現場にいて一つ確信できることは、医療は技術だけでは完結しまないということです。患者さんが安心して受診できること、家族が納得できること、紹介元がつなぎやすいこと、そして働く職員が誇りを持てること。その全部がそろって初めて、信頼が積み上がると思います。サイトリニューアルを通じて、「共愛会は、人で支える医療を本気で続ける法人である」ということが伝わればいいなと思っています。

戸畑共立病院
戸畑共立病院 Facilities.01

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戸畑共立病院 健診センター
戸畑共立病院 健診センター Facilities.02

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戸畑リハビリテーション病院
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あやめの里
あやめの里 Facilities.04

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明治町クリニック
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