12月22日は「ジェネリック医薬品の日」だそうです。
ジェネリック医薬品の意味は、テレビやラジオなどで放送されていますので、ご存じの方が多いかと思いますが、先発医薬品(新医薬品)の特許が切れて、先発医薬品と同等同質で同じ安定性の医薬品として、厚生労働省が承認した医薬品であります。薬の有効成分名である「Generic Name」で処方されるところからジェネリック医薬品(後発医薬品)と呼ばれています。
自分が医療の世界に飛び込んだ30年ほど前は、後発医薬品を「ゾロ医薬品」などと呼んでおり、先輩からも場合によっては「注意しないといけない」などと教えられたものでした。しかしながらこの30年で後発医薬品を製造しているメーカーもかなりの企業努力をしたのでしょう。安全性や効果なども同等の医薬品を安価に提供できるようになり、数多くの患者さんに利用していただいています。
 また、来年2024年の診療報酬改定がプラス改定だ、マイナス改定だ、などとニュースで報道されているかと思われます。この改定では通常、医薬品の価格=薬価を下げて、診療報酬の全体価格のベースを下げようとします。人口比率を考えると、どうしても医療を必要とする方は年々増加しますので、それに比例して全体の医療費は必ず増加します。この増加を少しでも緩やかにさせるために政府は薬価を下げようとし、比較的安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)を推進するのです。
 物価の上昇が進む中、薬価は下落というのはなんだか変な感じもします。ぜひとも多くの方々に医療行為に必要な医薬品の適正な価格というものに興味を持ってもらえたら今回の「ジェネリック医薬品の日」という記念日も大きな意味を持つのではないかと思います。

戸畑共立病院
薬剤部 科長 上田 健

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