各業務
リニアック
汎用型の放射線治療装置となっており、呼吸性の移動や高精度な定位放射線治療、IMRTを行える装置です。
2008年より稼働しておりました放射線治療装置Clinac iXを最新鋭のTrueBeam(トゥルービーム)に更新いたしました。TrueBeamは定位放射線治療(肺・肝臓)などにおける呼吸性移動のある腫瘍に対して短い時間で治療することが可能になりましたので、患者様への負担が軽減されます。また、治療も今まで以上に安全かつ正確に行えます。

サイバーナイフ

H30より最新の装置に更新したので、治療範囲が頭部から呼吸性の移動のある体幹部まで拡大し治療時間も3割程度短くなりました。
サイバーナイフシステムは、ロボットアームの先に小型の放射線照射装置を取り付け、多方向から高線量を1mm以内の精度で病巣に照射することのできる高精度治療装置です。治療範囲も頭部から体幹部まで拡大し、照射装置やロボット性能の向上により治療時間も3割程度短くなりました。また、呼吸によって動く腫瘍に対しての追尾照射も可能となりましたので、息止めや腹部圧迫などをして腫瘍の動きを抑える必要がなく、自然な呼吸をしながらでも高精度な放射線治療を受けることが出来ます。
トモセラピー
この装置は患者さんの体の周りを360度回転しながら、当てたいところだけに集中して治療が行えるIMRT専用機です。従来は治療範囲が長い場合は治療を複数に分ける必要があり、継ぎ目が出来てしまっていたが、トモセラピーは寝台が動きながら治療を行うので治療範囲が長く1度で安全に治療を行えるのが特徴です。
また、毎回治療前にCT画像を取得し位置を合わせるので、腫瘍や臓器の形態を確認しながら治療を行うことが可能です。治療時間も治療室に入り、治療終了までが約10分と短くなっています。

小線源治療

放射線を出す小さな線源を前立腺内に挿入して埋め込み、前立腺の内部から放射線を照射する治療法です。線源にはヨウ素125という放射性同位元素が密封されています。埋め込む数は50個~100個程度で患者さんによって異なります。埋め込む位置は、あらかじめコンピュータを用いて、尿道や直腸などの他の臓器への影響が最小で治療効果が高い場所を選びます。
線源から放出される放射線は徐々に減少し、1年くらいでなくなります。カプセルは永久に前立腺に残りますが、問題はありません。
また、当院では前立腺癌治療の際に直腸への副作用を低減させるためにSpaceOARの留置を行っております。これは前立腺と直腸の間に間隔を作る事で直腸に当たる線量を下げることができます。
計画CT
2025/4/17より本装置に更新されました。
大口径の64列CT装置で、当院での放射線治療の準備を行います。
技術の進歩により、従来機から検出器の検出効率も飛躍的に上がっているため、より少ない線量で良質な画像が得られるようになりました。これは患者様の被ばくの低減にもつながっています。
放射線治療に特化した技術も進歩しており、呼吸性移動の確認やアーチファクトの低減なども行うことができ、視認性の高い画像を作成することが可能です。
また以前から治療計画での臓器を囲む処理など自動で行えてはいましたが、精度が格段に向上し技師や医師の負担を軽減してくれています。患者様にも従事者にもやさしい装置となっております。


核医学検査
微量の放射線を出す医薬品(放射性医薬品)を体の中に投与し、放射性医薬品が臓器や体内組織に集まります。放射性医薬品が集まった臓器や体内組織からは、微量の放射線が出ていますので、その放射線を画像化し、病期や予後の確認、治療の効果判定等に有用な検査となります。
核医学検査には、骨シンチや脳血流シンチ等、さまざまな検査があり、目的部位に応じた放射性医薬品を使用して、検査を行います。
●骨シンチ
骨に集まる性質のある医薬品(放射性医薬品)を体の中に投与し、検査を行います。
全身の骨の様子を撮影し、がんの骨転移、外傷による微小骨折等、骨の状態を詳しく調べる検査です。薬を投与してから2時間30分後に検査を行います。
検査時間は約30分程度です。


●脳血流シンチ
脳に集まる性質のある医薬品(放射性医薬品)を体の中に投与し、検査を行います。脳の多くの病気は血流の異常を伴っています。脳血流のわずかな変化を見つけ、認知症等の病気の診断に有効な検査となります。
検査時間は約45分程度です。
上記以外にも心臓の検査や甲状腺の検査など様々な部位の検査を当院では行っております。
内服療法

射性医薬品を経口的又は注射により投与し、放射性医薬品より放出されるα線やβ線といった放射線により治療を行います。α線やβ線は、飛程が短いため、周囲正常組織に与える影響を少なくし、病巣に集中的に放射線を当てる治療法となります。
✔︎223Ra(ゾフィーゴ®︎)治療
去勢抵抗性前立腺癌に対する骨転移に有効性のある放射性医薬品となります。
詳しくはこちら(外部リンク)でご紹介しています。
✔︎ヨード治療
当院では、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の治療としてヨードカプセルを経口し、内用療法を行っています。
PET-CT検査
PET-CT検査とは、PET検査(陽電子放出断層撮影)とCT検査(コンピューター断層撮影)を同時に行い画像を融合することで、がんの検索や病期診断ができる最先端の検査です。
PET検査による「機能」とCT検査による「形態」の統合診断ができます。
当院では、PET検査と放射線治療計画用CT検査が同時に可能な一体型PET-CT装置を導入しています。
診断目的でPET検査をする場合と、放射線治療計画目的でPET検査をする場合では、撮像体位や固定具等が違うため、融合画像にずれが生じます。
一体型PET-CT装置では、PET検査と放射線治療計画用CT検査を同一寝台、同一体位で撮像することが可能なので、ずれも少なく、別室での再検査の煩わしさもなくなります。
これにより一度の検査で治療準備までも行うことが出来るため、短期間でより正確に精度よく治療までの準備が行えます。
