各業務
検体検査
検体検査
検体検査では、患者さんから採取した⾎液や尿などの分析や、顕微鏡での細胞分類、細胞数の計測により、病気の診断や治療経過の観察を⾏います。また検体検査では、夜間・休⽇の急患にも対応できるよういつでも検査可能な体制を整えており、検査結果は正確かつ迅速に患者さんへ提供できるよう努めています。
検体検査室が取り扱う検査では分析の原理や測定の⽅法により、⼀般検査、⾎液検査、⽣化学検査、免疫検査、微⽣物検査、遺伝⼦検査に分類されます。
精度管理
信頼性の⾼い検査結果を患者さんに提供するため、検体採取から結果報告までの⼀連のプロセスを定期的に評価し、必要に応じて修正し、維持管理しています。このような取り組みを「精度管理」といいます。
精度管理では、管理範囲を定めた精度管理物質を測定し、この範囲からの逸脱を認めた場合には、これを是正した後に患者さんの検体を測定することで、検査結果の精度を担保しています。また、毎⽇測定した結果についてもグラフ化し変動の傾向を分析することで、逸脱の回避に努めています。また、外部の医療・検査関連団体が全国の検査施設を対象に共通条件のもと測定結果を調査する、「外部精度管理」にも積極的に参加しています。これにより、客観的精度の保証、および導き出された全ての測定値の解析による、精度の向上、検査技術の確認、そして検査技術の標準化への指針としています。

輸⾎検査
輸⾎検査
⾚⾎球膜上には、ABO ⾎液型やRh ⾎液型の他に300 種類余りもの⾎液型を構成する「抗原」が存在します。輸⾎や妊娠など⾃分以外の⾎液が体内に⼊ると、抗原の型が⼀致しない場合はこれを異物と認識し、⾚⾎球に攻撃を⾏うための「抗体」が産⽣されます。これを不規則抗体といいます。輸⾎検査では、輸⾎療法を⾏うためABO ⾎液型やRh ⾎液型の確認だけでなく、この不規則抗体も検査することで安全な⾎液製剤の選択、および総合的な輸⾎が可能かの判断を⾏います。
輸⾎管理体制
臨床検査科では、安全で適正な輸⾎を⾏うために輸⾎部⾨を設置し、輸⾎検査および⾎液製剤を⼀括管理することで24 時間輸⾎可能な体制を整えています。⾎液製剤の管理については発注、保管、検査を⾏うだけでなく、医療法やガイドラインに則った輸⾎情報の管理も総合的に⾏っています。また、輸⾎療法の適応と⾎液製剤の選択に係る分析、⾎液製剤の使⽤状況調査、適正使⽤推進のための検討、輸⾎関連情報の院内への伝達と教育などの活動も院内で中⼼となって⾏っています。
病理検査
病理検査
病理検査とは、患者さんより採取した組織や細胞を顕微鏡的に観察し、病変を診断する検査であり、検査内容としては、病理組織検査、細胞検査、術中迅速検査があります。
病理検査は、検体採取から多くの操作過程を必要とし、診断のできる形(標本作製)にするまでに時間を要します。出来上がった標本を病理医や細胞検査⼠が顕微鏡で観察し、疾病の良・悪の判定、病変の本態、広がりを解析し、総合的に判断して臨床医に報告しています。
病理解剖
患者さんの亡くなられた後、ご遺族の承諾を得てご遺体を観察させていただきます。解剖させて頂いた症例は、医師(臨床医、病理医、画像診断医)やコメディカルワーカーなど職種を問わず多くのスタッフが参加する臨床病理検討会を実施することで、死因や病態を究明します。
病理検査の役割
病理検査の主な検査である病理組織検査(病理組織診断)は、病気そのものを採取した検体を直視下で観察するため患者さんに深く関与しています。特に癌の診断においてはその診断結果を臨床医に伝え、治療⽅針決定・予後の推測に重要な役割を担っています。
近年は悪性腫瘍の病理組織・細胞検体を⽤いた体細胞遺伝⼦検査が増加しており、病理組織検査ではホルマリン固定からパラフィン包埋までの時間、細胞検査では検体採取から検体処理固定までの時間、そして適切な標本作製・保管など検体の品質の確保にも努めています。
また正確な病理診断には質の⾼い病理標本が必要とされるため、このような仕事を担う病理検査技師の指導育成にも努めています。
⽣理検査
⽣理機能検査
患者さんの体から採取した⾎液や尿といった検体を通さず、患者さんの⾝体を直接調べる検査を⽣理機能検査と⾔います。⽣理機能検査では、体から発せられるわずかな信号を読み取ったり、医療機器を⽤いて体内の臓器を観察することで、表にはでていない病気の発⾒や、治療効果の判定、経過観察に役⽴てます。また、ほとんどの検査は患者さんに⾝体的な負担が少ない「⾮侵襲的」な検査なため、⼤きな痛みや副反応が無く受けていただくことができるのも特徴です。
検査の種類
⽣理機能検査は、体の機能や種類により以下のように分けられます。
[循環器系]
⼼電図検査:⼼臓の動きによる微弱な電気信号を記録し、不整脈や狭⼼症、⼼筋梗塞などを調べます。
ABI(⾜関節上腕⾎圧⽐)検査:⾜と腕の⾎圧を測定し、動脈硬化の程度を調べます。
[呼吸器系]
呼吸機能検査:息を吸ったり吐いたりする肺の換気量を測定し、肺の病気などを調べます。
[脳・神経系]
脳波検査:脳から⽣じる電気活動を測定し、てんかんや意識障害などを調べます。
神経伝導速度検査: 神経に電気刺激を与えて、神経の働きを評価します。
[超⾳波検査]
⾼周波数の⾳を体内にあて、その反響までの時間や波形の歪みを画像化することで、⼼臓の動きや弁の状態、⾎管や内臓の硬さ、腫瘍の⼤きさなどを観察します。
超⾳波検査では、⼼臓、⾎管、肝臓、腎臓、乳腺をはじめとした様々な臓器や器官を観察できます。
[その他]
超音波検査を用いたチーム医療として、法人内施設へのエコー技師の派遣、肝生検‧PEIT‧RFA、術中の下肢静脈焼灼術などのエコー補助などを行なっています。
[その他]
検体採取
採⾎室
当院の採⾎室は1 階外来中央受付の正⾯にあり、主に⾎液検査や尿検査の受付を⾏っています。また、⾃⼰⾎糖測定器や持続⾎糖測定器の使⽤⽅法説明と、これらを使⽤するための消耗品提供も⾏っています。採⾎室では、検査を⾏う専⾨的知識を持った臨床検査技師が採⾎を⾏うことにより、より正確な検査データを提供することで、安⼼で確実な医療を提供することに貢献しています。
診療⽀援
糖尿病ケアチーム
⾎糖やヘモグロビンA1c を測定し情報を提供することで、糖尿病の診断や治療効果の判定、関連合併症や⽣活習慣病の予防などに関する情報を提供します。また、患者さん向けの⾃⼰⾎糖測定器や持続⾎糖測定器などの使⽤説明、および機器の管理などを⾏うことで、患者さんの⾎糖値コントロールを⽀援し、病気への理解を深める⼿助けをする活動を⾏っています。
栄養サポートチーム
栄養状態の改善は、免疫⼒の向上、治療効果の促進、そして合併症の予防などにとても重要です。臨床検査科は、病気や⼿術などにより⼗分な栄養が取れない⽅に対しケアを⾏うため、⾎液検査の数値から栄養状態を分析し評価しています。栄養サポートチーム(NST)の回診時には、医師や看護師、栄養管理⼠、薬剤師などを含めた複数の職種による多⾓的な評価を照らし合わせ、分析し、追加検査の提⾔や、モニタリング項⽬などを共有することで、患者さんの最適な栄養管理に貢献しています。
感染対策チーム
抗菌薬の新規開発が事実上ない現状、既存抗菌薬の耐性化を防ぎながら感受性のある薬剤を選択する必要があり、世界規模での薬剤耐性(AMR)対策が策定されています。
臨床検査科では院内におけるすべての細菌検査結果を統括する部署であることから、検出された耐性菌や届け出を要する感染症を関係部署・医師に速やかに報告し、院内の感染対策に貢献しています。また、感染対策チーム(Infection control team:ICT)および抗菌薬適正使⽤⽀援チーム(Anitimicrobial
Stewardship Team:AST)の⼀員として以下の活動も⾏っています。
・菌種別薬剤感受性率(アンチバイオグラム)の作成
・病院内耐性菌ラウンドのリスト作成
・病院内ラウンド実施
・⾎液培養陽性患者リスト作成
・⾎液培養陽性患者カンファレンス実施
・薬剤感受性レポート作成
・耐性菌院内伝播の確認
・薬剤耐性菌における情報収集および提供
肝疾患チーム
我が国の肝炎の原因は、B 型またはC 型肝炎ウイルス感染によるものが多く、放置することで慢性化し肝硬変や肝がんに進⾏するおそれがあります。臨床検査科では、HBs 抗原やHCV 抗体などの検査を⾏い、⼊院時のスクリーニング、感染の確認、および治療効果の判定などに貢献しています。さらに、肝炎ウイルス検査の陽性者を抽出し、これを専⾨の医師に情報提供することで、治療を必要とする患者さんが適切な医療を受けるための⼿助けも活動の⼀つとして⾏っています。また、ウイルスを検査する以外にも超⾳波検査による肝硬度測定(SWE)という肝臓の硬さをみる検査も⾏っています。

共愛会グループ
地域支援・がん治療・救急・急性期