令和6年度 戸畑共立病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 85 91 115 230 441 888 1638 1563 694

当院では60歳以上の患者さんが8割を占めています。
地域医療支援病院として地域医療機関や介護福祉施設との密な連携を行い、患者さんに適切な医療を提供できるような体制をとっています。


診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 252 18 20.78 28.57% 87.52
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 121 9.67 8.88 9.09% 75.95
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 104 11.89 13.66 25% 80.28
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 75 14.09 16.4 24% 86.55
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 手術あり 手術・処置等2なし 53 35.85 35.71 58.49% 86.62

高齢者の肺炎や胆管炎、尿路感染症を主に行っており、悪性腫瘍の治療も行われています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 43 6.72 7.05 0% 66.6
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 29 12.72 14.81 6.90% 69.24
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 25 2.08 2.66 0% 66.88
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 22 9.77 12.98 18.18% 76.73
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 16 15.88 18.48 6.25% 65.19

腹腔鏡手術、静脈瘤などの血管外科手術、悪性腫瘍手術が多く行われています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 157 24.64 25.29 90.45% 86.41
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 100 12.86 19.16 85% 83.99
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 69 6.29 5.95 10.14% 68.64
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 45 19.13 21.38 91.11% 76.6
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし 36 16 19.3 83.33% 84.25

高齢者に多い骨折の治療を主に行っています。早期にリハビリに移行できるよう努めています。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 39 2.13 2.74 0% 77.49
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし 30 3.53 4.65 0% 57.9
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2あり 10 43.9 47.54 30% 76.7
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 3.08
100100xx97x0xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2なし 24.47

眼瞼下垂や皮下・軟部腫瘍の治療が主に行われています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 69 21.19 16.89 53.62% 75.14
010010xx9903xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 41 11.12 17.4 17.07% 68
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 28 16.64 7.99 50% 79.71
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 23 18.04 16.94 39.13% 78.83
010060xx99x41x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり 23 37.48 29.66 65.22% 86

脳腫瘍のサイバーナイフ治療や脳血管障害の治療が多く行われています。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし 12 10.58 9.82 16.67% 77.25
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 4.54%
040150xx97x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし 28.41%
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 9.59%
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 9.28%

悪性腫瘍の治療を中心に行っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 101 2.02 2.49 0% 77.13
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり片眼 4.52
020250xx97xxxx 結膜の障害 その他の手術あり 2.81
020320xx99xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術なし 7.87

高齢者の患者さんの白内障治療(水晶体再建術)が多く行われています。

放射線科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等22あり 44 14.36 19.51 43.18% 72.59
03001xxx99x3xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 38 24.61 26.52 10.53% 66.5
06007xxx9904xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 38 4.05 5.84 0% 68.76
060050xx9902xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 20 11.2 14.83 10% 77.45
03001xxx97x3xx 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等23あり 18 46.06 56.97 16.67% 67.67

5大がんに加え転移性骨腫瘍や膵臓・脾臓などの悪性腫瘍の治療が最新の医療機器で行われています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx9902xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 87 6.79 23.1 0% 73.09
110080xx03xxxx 前立腺の悪性腫瘍 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 59 2 2.59 0% 71.75
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 46 2.17 2.45 0% 72.8
110080xx99000x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 26 2 6.74 0% 71.92
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 25 3.96 6.81 0% 79.28

前立腺がんの密封小線源治療・サイバーナイフ治療等の放射線治療を主に行っています。


初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 48 13 11 63 1 8
大腸癌 20 39 13 19 109 1 8
乳癌 74 1 8
肺癌 15 16 75 1 8
肝癌 62 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

当院は地域がん診療連携拠点病院として、5大癌を中心に癌に対する幅広い治療を行っています。放射線治療装置としてリニアック、サイバーナイフM6、トモセラピー、前立腺密封小線源装置などの最新医療機器の導入や多くの診療実績をもつ専門医によるチーム医療によって症状に応じた精度の高い治療を提供します。


成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 28 8.04% 51
中等症 77 13.21% 82.09
重症 26 18.12% 84.96
超重症
不明 0 0 0

高齢者の中等の誤嚥性肺炎が大部分を占めています。


脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 132 26.24 78.91 47.37%
その他 20 17.95 76.6 6.58%

3日以内に治療を開始した患者さんが大部分を占めています。リハビリテーション病院との連携により、リハビリも含めた総合的な治療管理が可能です。


診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 81 1.67 8.9 7.41% 74.43
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 47 4.26 4.62 10.64% 71
K654 内視鏡的消化管止血術 46 3.24 12.76 32.61% 78.02
K6872 内視鏡的乳頭切開術 胆道砕石術を伴うもの 42 1.33 10.88 16.67% 81.07
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 41 0 5.51 7.32% 74.9

内視鏡手術が多く行われています。患者さんの高齢化が進み、低侵襲である内視鏡治療が求められているため、内視鏡治療に力を入れています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 65 1.34 5.18 1.54% 66.69
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 29 1.76 11.21 10.34% 70.48
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 25 0 1.08 0% 66.88
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 21 2.29 2.29 0% 69.19
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 14 1.29 2.79 0% 67.07

腹腔鏡下手術が多く行われているほか、がん治療のためのカテーテル設置や血管外科手術症例もあります。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 133 2.56 17.69 72.19% 83.8
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 97 1.9 5.86 19.59% 64.16
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 64 4.48 20.02 95.31% 85.67
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 60 1.1 17.58 83.33% 76.13
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 37 3 14.19 18.92% 70.7

骨折観血的手術や人工骨頭挿入術・人工膝関節置換術が多く行われています。脊椎の手術も行っています。

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2193 眼瞼下垂症手術 その他のもの 26 0 1 0% 77.5
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 14 0 1.36 0% 78.36
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹 11 0.18 2.91 0% 57.55
K0021 デブリードマン 100c㎡未満 10 3.2 30 30% 71.6
K2173 眼瞼内反症手術 眼瞼下制筋前転法

眼瞼下垂症手術を多く行っています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 25 1.72 18.4 48% 80.56
K1742 水頭症手術 シャント手術 10 16.4 13.9 50% 78.7
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿
K145 穿頭脳室ドレナージ術
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。)

慢性硬膜下血腫や水頭症の手術を主に行っています。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除
K5143 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 100 0 1.02 0.00% 77.00
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの)
K2684 緑内障手術 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの)
K2822 水晶体再建術 眼内レンズを挿入しない場合

白内障治療のための水晶体再建術が主に行われています。

放射線科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 60 1.12 5.75 3.33% 67.12
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 37 2.84 4.51 18.92% 68.68
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 13 17.46 32.46 30.77% 71.31
K688 内視鏡的胆道ステント留置術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術

がん治療のためのカテーテル設置やCART(腹水濾過濃縮再静注法)を主に行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 59 0 1 0% 71.75
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの 28 0.18 3.36 0% 79
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 22 0.77 5.77 4.55% 84.64
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの
K7983 膀胱結石、異物摘出術 レーザーによるもの

サイバーナイフによる前立腺がん治療や膀胱悪性腫瘍手術が多く行われています。


その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 25 0.46%
180010 敗血症 同一 23 0.42%
異なる 25 0.46%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 33 0.61%
異なる

当院は急性期病院のため播種性血管内凝固症候群や敗血症により搬送された患者さんを多く受け入れたり、また各種検査後にこれらの症状が判明することが多くあります。そのため、ある程度は播種性血管内凝固症候群や敗血症の患者さんは発生します。


リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
606 484 79.87%

腹部・骨盤・下肢の手術では、手術後静脈内に血栓を作りやすい状態となります。静脈内の血栓が肺に詰まる病気を肺塞栓症といいます。当院では予防策を適切に行っております。


血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1052 911 86.60%

血液は体全体を循環するため、通常は無菌状態に保たれています。そこに色々な事象が重なり、病原菌が侵入してしまうことで、菌血症や敗血症などの重篤な感染症を引き起こしてしまいます。「血液培養検査」は感染症の原因となる細菌を把握し、治療に必要な抗菌薬の選択に大きな役割を担っています。
血液培養検査は2セット採取が推奨されていますが、その理由として起炎菌(感染症の原因となる細菌)を検出する確率が1セットと比べて大幅に増加し、コンタミネーション(感染症の原因とはならない細菌)を見抜くことが可能となります。当院では感染制御チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)にて毎週カンファレンスを実施し、臨床側への介入を行い質の高い医療の提供を目指し、日々努めております。


広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
469 380 81.02%

近年、薬剤耐性菌とそれに伴う感染症の増加は、世界的に大きな問題となっています。
不適切な抗菌薬使用が、薬剤耐性菌の発生や蔓延の原因となります。適切な、抗菌薬使用のためには、適切な培養検査を行い、原因菌の特定を行うことが必要となります。
当院では、AST(抗菌薬適正支援チーム)、ICT(感染制御チーム)にて抗菌薬の使用状況・各種培養結果等の確認を行い、感染対策及び抗菌薬適正使用に関する支援を行っています。

転倒・転落発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
69561 87 1.25‰

入院患者の転倒や転落がどのくらいの頻度で発生しているかを示す指標です。
転倒転落は、骨折や脳出血などの重大な損傷につながる可能性がるため、この発生率を把握し、予防策を講じています。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
69561 11 0.16‰

医療安全における事象レベルは、患者への影響の度合いによって分類され、医療事故の再発防止や医療安全管理の重要な指標として活用しています。
事象レベル3b以上とは、バイタルサインの高度の変化や骨折、手術など濃厚な処置や治療を要した事象を差します。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
851 829 97.41%

予防的抗菌薬の投与とは、手術後の感染をできるだけ防ぐために、あらかじめ抗菌薬を投与することを言います。
手術部位感染(SSI)防止のために、米国疾病予防管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)などのガイドラインで強く実施が勧告されています。
当院では、術式別の抗菌薬選択をガイドラインに基づき定めており、適切なタイミングでの投与・投与量となるよう多職種で確認し、感染予防に努めています。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
67030 72 0.11‰

褥瘡は、患者の QOL の低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒や在院日数の長期化、医療費の増大につながります。そのため、褥瘡予防対策は、提供する医療の重要な項目の一つとなっております。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
4301 3598 83.65%

当院では、「質の向上を目指したチーム医療」をスローガンに掲げ、患者ファーストの医療の提供に努めています。その中で、2011年度より管理栄養士の病棟担当制を開始し、患者に寄り添った栄養支援を継続し、院内の栄養管理手順に基づき医師、看護師など多くのメディカルスタッフが患者の栄養管理に携わっています。
今回、令和6年度の診療報酬改定で「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」が新設され、原則入棟後48時間以内に患者に対面の上、入院前の食生活や食物アレルギー等の確認及びGLIM基準を用いた栄養状態の評価を行っています。より早期に管理栄養士が多職種協働で栄養介入をすることで患者のADLの維持・向上に繋がっています。
今後もより早期にひとりでも多くの患者さんの栄養アセスメントを行い、適切な介入により栄養状態の維持・改善に努めてまいります。

身体的拘束の実施率

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
69561 2325 3.34%

当院では、患者さまの尊厳と安全を守るため、身体拘束は原則として行わず、緊急やむを得ない場合に限り、一時的な措置として実施しています。身体拘束が必要とされる際には、医師・看護師・リハビリスタッフなど多職種による協議を行い、代替手段を検討しています。また実施後は「身体拘束最小化マニュアル」に基づき、「切迫性」「非代替性」「一時性」の観点から毎日検討し、早期解除に努めています。

更新履歴

2025.10.1 初版
2025.10.9 コメント更新