社会医療法人 共愛会

広報誌『Tsunagaru』2020年夏号

社会医療法人 共愛会広報誌 Tsunagaru 2020年夏号

表紙(クリックで拡大)

DMATカー導入について

戸畑共立病院は2017年4月に福岡県より「災害拠点病院」の指定を受け、現在DMAT(災害急性期に活動する医療チーム)の資格を有するメンバーで活動を行っています。このチームが、地域での災害現場や地震等の被災地における医療活動、屋外での活動や患者様の長距離搬送業務等様々な現場に対応した活動が安全に行えるように、高規格救急車に準ずる車両を当院独自にカスタマイズし、今年3月新たにDMATカーを導入いたしました。今後、関係機関との連携強化や訓練等の積極的な参加を行い、現場での医療支援活動を安全に行えるよう日々研鑽していきたいと思います。

病気のはなし

早期発見や予防につながる
口内炎と見分けがつきにくい
口腔がん
口腔がんについて聞きました

セルフチェックと歯科検診を

 口腔がんは、がん全体の中で約2~3%の率で発生する稀ながんとされています。以前は、「口の中にもがんができるの?」というほど珍しい印象でしたが、2019年に歌手で女優の堀ちえみさんが舌がんを公表されたことで一気に知名度が上がりました。高齢化社会の進行とともに年々増加傾向にあり、日本では年間7675人が口腔・咽頭がんで亡くなられています。
 口の中は粘膜で構成されており、どこからでもがんは発生します。最も多くみられるのは舌がん(約60%)で、次いで歯ぐきのがん(歯肉がん)、舌の下側の口底がん、頬粘膜がんなどの順です。
ほとんどの場合、初期は痛みを感じることが少ないか無痛の腫れです。潰瘍ができても口内炎と見分けがつきにくく、口内炎が治らないと訴えて受診されることも多いです。がんが大きくなるとコブ状の出来物となり、多くの場合潰瘍を伴って痛みが出てきます。
 口腔がんは、口の中の衛生状態が悪かったり、虫歯・義歯・口の乾燥などで常に粘膜への刺激があることが原因のことが多いです。また、タバコやお酒も発生原因であるといわれています。熱い食べ物や辛い食べ物、刺激の強い食べ物も発生に関連しているようです。これは、口腔の粘膜細胞が常に傷つき、細胞遺伝子(DNA)が、がん化しやすいためで、タバコやお酒、刺激の強いものを食べる機会が多い方は遺伝子を傷つける可能性が高く、口腔がんの発生リスクが高まります。
 しかし、体のほかの場所のがんと違って口の中は鏡で見ることが出来ます。このため、セルフチェックで早期に発見されることもあります。必然的に歯科の治療中に偶然発見されることが最も多くなりますので、義歯の調整はもとより、虫歯などの自覚症状がなくても定期的に歯科検診を受けることは大切です。かかりつけの歯科医をもち、口腔ケアに心がけることは、口腔がんの予防と早期発見につながります。

口腔がんの早期治療につながる
戸畑共立病院 歯科口腔外科
口腔がんの治療

口腔がんの様々な治療と診断について聞きました

外科療法と化学放射線療法

口腔がんは舌や歯ぐきといった様々な場所に発生するため、腫瘍の場所や大きさによって治療方法を組み合わせながら治療します。その中で主たる治療は、外科療法と化学放射線療法があげられます。
外科療法とは、口腔がんを切除する治療法です。この方法は口腔がん治療の中で第一選択となる治療法です。切除する際は、がんだけではなく、その周囲の正常な組織の一部も含めます。そのため、歯やあごの骨、頬を含めるといった切除範囲が大きい場合は体の別の部位から組織を持ってきて再建したり、通常より大きな入れ歯を使って補ったりします。
次に化学放射線療法とは、抗がん剤を投与しながら、がんにX線やガンマ線などを照射する治療法です。基本的には外科療法が難しい場合に選択されます。また、術前にがんを小さくすることを期待する場合や術後に転移のリスクが高い場合に外科療法と併用して用いることがあります。この治療では、唾液が出にくくなったり口の中に口内炎を含めた粘膜炎ができやすくなったりするため、専門的な口腔ケアと保湿で口の中の環境を整えることがとても重要です。

定期的な歯科検診を

口は食べることや飲み込むこと、話すことなどの機能のほかに、見た目にも大きな影響を及ぼします。がんを早期に発見できれば、治療範囲は小さくなり、体や心の負担は小さくなります。そのためには、かかりつけの歯科医院で定期的な歯科検診を受け、口内炎が治りにくいなどの気になることを気軽に相談しやすい環境を作ることをお勧めいたします。
気になることや不安なことなどがあれば、いつでもご相談ください。

認定看護師・技師からのmessage ~伝えたいこと~ Vol.10

今回は言語聴覚士からのメッセージです。

話す、聞く、食べるを支援します!

私たちは言葉によってお互いの気持ちや考えを伝えあい、経験や知識を共有して生活をしています。
ことばたによるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症(話す、聞く、読む、書くの障がい)、聴覚障害、言葉の発達の遅れ、声や発音の障害など多岐に渡り、小児から高齢者まで幅広く現れます。言語聴覚士はこのような問題の本質や発言メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。また、摂食・嚥下(えんげ)の問題にも専門的に対応します。
このような活動をチームの一員として行っています。そのチームの1つに「接触・嚥下サポートチーム」があり、医師(呼吸器内科)や歯科医師と一緒に「最期まで食べる楽しみを保つ」ための支援を行っています。
当法人の戸畑共立病院、戸畑リハビリテーション病院、あやめの里、あやめ訪問看護ステーション(訪問リハビリ)には、総勢16名の言語聴覚士が在籍しております。話す、聞く、食べることで困ったことがあれば、ぜひ「言語聴覚士」にお声かけください。

Tell Me Doctor おしえてドクター

健康診断も「3密」を避けて~健診センターの新型コロナウイルス対策

国の緊急事態宣言が全面解除になった矢先、北九州市では新型コロナウイルス感染症が続発し、第二波・第三波を想定しての対策が求められています。
健康診断とは無症状の人たちの中から病気を見つけるものであり、症状がある人への検査や治療と比べると緊急性が高いとは言えません。そのため流行当初は、健康診断を延期する方向で施策が取られてきました。しかしながら流行が長期化してくると、いつまでも延期する訳にはいきません。他の重大な病気の発見が遅れて命にかかわっては元も子もないからです。
特に夏~秋は、従業員の健康診断を行う企業が多い関係で健診現場も混み合いがちです。クラスターが発生しないよう、健診現場でも「3密」を避ける必要があります。
5月14日、日本人間ドック学会などの連盟通知で、健康診断における新型コロナウイルス対策のガイドラインが公表されました。健診センターではこのガイドラインに従って対策を行っております。
来院の際は全員、マスク着用をお願いしております(布マスクも可)。在庫はありませんのでおそれいりますが各自でご用意ください。風邪症状がある方・渡航や患者接触から2週間以内の方の健康診断は見合わせておりますので、何卒ご了承ください。
なお、3密を避けるべく人数制限を設けております。午前は予約が集中しますので、絶食の必要がない方は午後の予約をお勧めいたします。胃の検査がない健康診断は一定の条件を満たせば絶食でなくてもお受けできますので、健診センターへご相談ください。

戸畑共立病院 健診センター
TEL.093-871-6025(直通)
受付時間/8:30~17:00
ご予約について 午前中は電話が込み合いますので、午後からのご予約をお勧めいたします

リハビリスタッフ オススメ!

健康寿命延伸!!

脳卒中とは脳の血管が詰まったり、血管が破れて出血したりする病気です。脳卒中は日本の死亡原因としては第3位、介護が必要となった原因疾患では第1位となっています。高血圧や糖尿病、不整脈など生活習慣病をお持ちの方は特に気を付けなければいけません。適度な運動を毎日することで脳卒中の発症を予防することができます。「車移動ではなく徒歩」「エレベーターではなく階段」など日々の生活の中でも運動は出来ますので、少しずつ始めていきましょう。もし脳卒中を発症してしまった場合、当院では脳卒中患者様に対して基本的に発症同日もしくは翌日からリハビリテーションを行っています。できる限り元の身体状態に近づき、その人らしい生活を送れるようリハビリテーションを提供していきたいと思います。

認定理学療法士(脳卒中領域)
高い専門的臨床技能の維持、社会、職能面における理学療法の専門性を高めていくことを目的に日本理学療法士協会から勧められている資格です。

私のONとOFF

スタッフの仕事とプライベートをみなさまにご紹介します
戸畑共立病院 リハビリテーション科 理学療法士 仲本 昂平

患者様の第一歩を一緒に踏み出したい

私は主に病気の発症や手術後、人工呼吸器などが必要な集中治療分野のリハビリテーションに携わらせてもらっています。特に重症度が高い集中治療室でリハビリテーションを行うため、2017年に3学会合同呼吸療法認定士、2020年は認定理学療法士(呼吸領域)を取得しました。今後もより良いリハビリテーションを患者様へ提供し、退院への第一歩をしっかりと踏み出せる様に支援していきます。

Q.あなたの趣味は何ですか?
A.釣りです。

Q.それはいつから始めましたか?
A.小学生のころから友人や叔父とよく釣りに出かけていました。

Q.趣味にまつわるエピソードは?
A.出身地の沖縄にはどこに行っても海があり、気が付いたら釣りをするようになっていました。現在は釣った魚を捌いて、調理して、食べながらお酒を嗜むことが嬉しい時間です。また、福岡は魚が本当に美味しく、釣りにも力が入ります。

旬の簡単レシピ

今回の旬の食材 カラーピーマン
カラーピーマンは緑ピーマンよりビタミン成分が豊富になります。ビタミンCは約2倍含まれ、風邪の予防や疲労回復、肌荒れにも効果的です。また、βカロテンと呼ばれる成分を含んでおり、髪の健康や視力維持など嬉しい成分がいっぱいです。緑色の時よりも熟して赤や黄色になった時の方がより甘味も増えます。また、料理に加えることで彩りも良くなります。

 

材料(2名分)
カラーピーマン(何色でも可) 1個
カボチャ 100g
ズッキーニ 1/2本
オリーブオイル 小さじ1
[A]
酢 大さじ2
オリーブオイル 小さじ1
塩 小さじ1/4
粗びき黒コショウ 適量
水 大さじ3

作り方
① ピーマンはヘタと種を除き乱切りにする。カボチャは、くし形に切る。
  ズッキーニは輪切りにする。ボウルに入れてオリーブオイルをまわしかけ、
  オリーブオイルが全体になじむように混ぜる。
② 中火にかけたフライパンに、①を並べて焼く。
③ 保存容器に②を入れて、合わせた[A]を回しかけ味をなじませる。

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