疾患ごとのリハビリテーション

整形疾患(骨折・靭帯損傷など)のリハビリテーション

⾻折、スポーツ外傷による靭帯損傷、変形性関節症等では、痛みや動きの制限、ギプスや装具での固定など、⽇常⽣活の中で様々な問題が⽣じてきます。また、家庭内での役割・趣味活動など、今まで⾏ってきた⽣活そのものを継続できなくなる可能性もあります。
そういう患者様に対して、年齢・筋⼒・痛みの程度・今までの⽣活様式や趣味活動(ゴルフや野球等)に応じた様々なトレーニングを⾏い、各種動作の特性に応じた個別指導を⾏っております。

脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・脳挫傷など)のリハビリテーション

脳の障害で麻痺した部分は思うように動かせなくなり、身の回りのこと全てが今までの様にできなくなります。私たちは、できる限り以前と同じ様に、日常生活活動(ベッドから起きる、自力で移動する、食事、排泄、身じたくを行う等)ができるように支援していきます。また、家庭復帰・社会復帰を目指し、家事、屋外での移動、公共交通機関の利用等、生活に関連した動作獲得も目指します。

高次脳機能障害のリハビリテーション

身近な道具をうまく扱えなかったり、記憶力・注意力・判断力の低下が起こったり、積極的に行動を起こすことが難しくなるなどの症状を高次脳機能障害といいます。このような場合に、机上課題と実用的課題を組み合せて訓練を実施し、日常生活における活動能力と社会復帰を目指します。

失語症のリハビリテーション

聴く・話す・読む・書く・計算するという言語機能の回復を目指します。また、身振りや絵など、言葉に頼らないコミュニケーションも取り入れ、必要に応じて、その方に合ったコミュツールを提案、周囲の方との会話能力の向上を目指します。

がん(終末期)でのリハビリテーション

当院の緩和ケア病棟ではリハビリスタッフが全患者に介入しており、患者様⼀⼈⼀⼈に寄り添い、要望に応じたリハビリテーション・ケアを⾏っています。具体的には、苦痛を伴う症状を緩和させる環境調整や動作⽅法の指導、安楽姿勢の保持と調整、リラクゼーションなどを⾏います。また、ご家族との⼤切な時間を作る取り組みとして、外出や趣味活動の実施なども⾏っています。

摂食機能障害のリハビリテーション

口腔機能回復と食べる楽しみの実現を目標に、口腔機能訓練、食物や水分をしっかりと飲み込む練習や、食事形態・環境の調整などを行います。

 

 

 

電気治療でのリハビリテーション

IVES(随意運動介助型電気刺激装置)

私たちは手足を動かす際、脳からの指令を受けてスムーズな動きを実現しています。
しかし、脳出血や脳梗塞などが原因で脳に損傷を負い、麻痺などが出現した際、思い通りに手足の動きが行えなくなります。
そこで、当院では運動療法に加えH26.1月から随意運動介助型電気刺激装置(通称IVESアイビス)を活用しています。IVESとは弱くなった脳からの電気信号を増幅して動かしたい筋肉を繰り返し動かすことによって神経伝達を回復させる装置です。発症して間もない方や発症して数年経過している方など様々な患者様に適応できます。当院では、主治医より指示を受け入院や外来と幅広く活用しています。

Vitalstim plus(嚥下電気治療器)

電気刺激と表⾯筋電位(sEMG)バイオフィードバックが同時に⾏える、嚥下機能の改善を⽬的とした低周波治療器です。
⾷事中にむせたり、飲みこみにくくなった⽅、また嚥下機能の維持を⽬指す⽅などに対して、飲みこむ⼒を強くする機器 バイタルスティム PLUSを使⽤した訓練を⾏っています。

ロボットでのリハビリテーション

cocoroe AR2(上肢リハビリ装置)

脳⾎管疾患・運動器疾患などによる上肢の運動機能障害を対象として、電気刺激や振動刺激を併⽤しながら肩関節・肘関節などの上肢全般の⾃動運動をサポートるる装置です。患者様に合わせた訓練パターンや課題の難易度・免荷量などを設定し、適切な負荷量で反復した動作訓練を⾏うことができます。

その他のリハビリテーション

促通反復療法

促通反復療法とは⿇痺した⼿や⾜を操作(促通治療)し、意図した運動(随意運動)を実現し反復することで、改善のために必要な⼤脳から脊髄までの神経回路を再建・強化することを⽬的とした治療法です。⽇本脳卒中学会が作成している2015年脳卒中治療ガイドラインの中で、促通反復療法は上肢機能障害に対するリハビリテーションの項⽬でグレードB(⾏うことが勧められる)と紹介されています。
当院では促通反復療法研究所川平先端リハラボでの研修を修了した作業療法⼠が6名在籍しており、脳卒中患者に対するリハビリテーション治療として積極的に活⽤しています。
促通反復療法研究所:川平先端リハラボHP(https://kawahira.org/)