■高気圧酸素治療業務のご紹介

○高気圧酸素治療とは

 大気圧よりも高い気圧(2~2.5気圧)環境下に患者を収容し、高濃度酸素を投与することで、組織の低酸素状態の改善を図る治療法です。血液中の溶解酸素の増加と酸素による抗菌作用、加圧によって、様々な疾患に対し効果の発揮が期待できます。

○治療内容について

治療圧力:2~2.5ATA
治療時間:90分
酸素濃度:100%

○副作用について

 耳の痛みが主なものです。加圧・減圧時に鼓膜を介して体内外に圧力差が生じ、耳に痛みが起こります。これは「耳抜き」という対処法で解消することができます。

1)鼻をつまんで、唾を飲み込む方法があります。
  →当院では、唾が出やすいように、アメや水を提供しています。
2)鼻をつまんで、鼻をかむ要領でゆっくり息を送り込む方法があります。
3)あくびをするように、顎を動かす方法があります。

 耳抜きにより耳管が広がり、圧力の均衡が取れて、耳痛感・閉塞感を解消させることができます。

○注意事項

 高気圧酸素治療中、装置の中には高濃度の酸素が流れているため、大変火災の起こりやすい環境となっています。治療を安全に実施するため、治療前にスタッフが金属探知器を使用し所持品の検査をさせて頂きます。
 使い捨てカイロ、マッチ、ライター、眼鏡、補聴器、腕時計、下着などの所持品は装置内に持ち込むことができません。

○戸畑共立病院の特徴

 第1種高気圧酸素治療装置を4台所有しています。年間5000例以上の治療実績があり、安全性と質の高い治療を行っています。当院は、全国43施設が認定されている、日本高気圧環境・潜水医学会認定施設です。高気圧酸素治療専門技師が5名在籍している施設でもあります。
 施行症例としては、がん治療と急性期治療を主に行っています。がん治療では、腫瘍内低酸素細胞環境の改善を目的に治療を行っており、ハイパーサーミア・化学療法・放射線治療の増感目的または遅発性放射線障害治療目的で使用されています。急性期治療では、熱傷や広範挫傷、コンパートメント症候群などの急性末梢血管障害の創傷治癒目的の治療、腸閉塞、脳梗塞に対する治療を行っています。当治療室では、幅広い診療科が関わって、積極的に治療を行っています。

○高気圧酸素治療の適応疾患

【一連につき7回を限度とするもの】
 ◇減圧症
 ◇空気塞栓

【一連につき10回を限度とするもの】
 ◇急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒
 ◇重症軟部組織感染症または頭蓋内膿瘍
  ガス壊疽・壊死性筋膜炎
 ◇急性末梢血管障害
  重症の熱傷または凍傷
  広汎挫傷
  中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
  コンパートメント症候群又は圧挫症候群
 ◇脳梗塞
 ◇重症頭部外傷若しくは
  開頭術後の意識障害又は脳浮腫
 ◇重症の低酸素脳症
 ◇腸閉塞

【一連につき30回を限度とするもの】
 ◇網膜動脈閉塞症
 ◇放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
 ◇難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
 ◇皮膚移植
 ◇脊髄神経障害
 ◇骨髄炎又は放射線障害
 ◇スモン

(引用元:日本高気圧環境・潜水医学会ホームページより)

○高気圧酸素治療効果2例

高気圧酸素治療を連日施行後、左手背の腫脹が軽減しています。

高気圧酸素治療を連日施行しつつ、デブリードマン(壊死組織の除去)、植皮術を行い、植皮部がすべて生着しています。